[Amazon Connect] 営業時間外に着信した電話番号の一覧を、翌朝メールで受け取る仕組みを作ってみた
1 はじめに
AIソリューション部の平内(SIN)です。
Amazon Connect(以下、Connect)では、オペレーション時間を設定して、その時間に基づいてロジックを作成することが可能です。
通常、着信では、営業時間外の場合は、オペレーターが対応できないので、「おかけ直しください」のようなアナウンスを流して切断するようなフローを構築すると思います。
これでも、まったく問題ないですが・・・「営業時間外に、どれぐらいの電話があったのか?」とか、「重要な顧客からの電話は無かっただろうか?」なんて気になる場合もあるかも知れません。
今回は、営業時間外で切断した電話の一覧を、毎朝の営業開始時にメールで受け取る仕組みを作ってみました。
構成は、以下のような感じです。
2 コンタクトフロー
サンプルのコンタクトフローは以下のようなものです。着信後、オペレーション時間を確認し、営業時間内であれば、通常の処理に進み、時間外の場合、Lamndaを呼び出して、発信番号を記録し切断しています。
3 S3へ記録
LambdaによってS3へ記録されているようすは、下図のとおりです。特定のバケットに、着信した時間と発信番号をそのままキーにして保存しています。(オブジェクトの中身はありません)
時間外に電話がかかってくるたびに、このオブジェクトが増えるわけですが、次の営業日に、集計してメールで送った後は、全部削除して空っぽにしてしまう運用です。
4 集計メール
次回の営業開始時に、送られて来るメールは、以下のようなものです。SESを使用して、事前に登録されたメールアドレス宛に送られます。
5 Lambda
実装したLambdaのコードは、次のとおりです。この関数は、Connectのコンタクトフロートからと、営業開始時にクローンから呼び出されます。
コンタクトフローから呼ばれたときは、単純に発信番号と日時をKeyにしてS3にオブジェクトを作成しているだけです。 一方、営業時間前に呼ばれた場合は、溜まったS3のオブジェクトを列挙し、メールにして送っています。また、この時、オブジェクトは全部削除しています。
const aws_sdk = require('aws-sdk'); const s3 = new aws_sdk.S3(); const ses = new aws_sdk.SES({region: 'us-east-1'}); // 東京では利用できない const bucket = 'incoming-calls-overtime'; const fromAddress = '[email protected]'; const toAddress = '[email protected]'; exports.handler = async function(event, context) { // 着信の記録(Connectから呼び出された場合) if (event.Details && event.Details.ContactData) { // 発信者番号 const phoneNumber = event.Details.ContactData.CustomerEndpoint.Address; await savePhoneNumber(phoneNumber); // 着信記録をメールする(営業開始前にクーロンで呼び出される) } else { await sendPhoneNumber(); } return {}; } async function savePhoneNumber(phoneNumber){ // 着信時間 const dt = new Date(); let params = { Bucket: bucket, Key: dt.toString() + ' ' + phoneNumber, Body: '' } await s3.putObject(params).promise(); } async function sendPhoneNumber(){ // データの一覧取得 let params = { Bucket: bucket, } const list = await s3.listObjects(params).promise(); let message = ''; for (var i=0; i < list.Contents.length; i++) { const phonNumber = list.Contents[i].Key let params = { Bucket: bucket, Key: phonNumber } // データ取得 const data = await s3.getObject(params).promise(); // データ削除 await s3.deleteObject(params).promise(); // メール用のテキスト作成 message += phonNumber + ' ' + data.Body.toString() + '\n'; } await send_ses('営業時間外の着信リスト', message) } // メール送信 async function send_ses(subject, body){ const params = { Destination: { ToAddresses: [ toAddress ] }, Message: { Body: { Text: { Data: body, Charset: 'utf-8' } }, Subject: { Data: subject, Charset: 'utf-8' } }, Source: fromAddress }; await ses.sendEmail(params).promise(); }
6 最後に
Connectでは、営業時間外の着呼をあっさり切ってしまうことが可能です。しかし、顧客リストなどと連携させて、重要な顧客の電話を拒否した場合は、このような仕組みを応用して、フォローアップなどを考えた方がいいかも知れないですね。
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